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虎の門病院 間脳下垂体外科
Department of Pituitary and Hypothalamic Surgery, Toranomon Hospital, Tokyo( 東京)
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間脳下垂体疾患
下垂体は脳の下にぶらさがっている器官で、全身のホルモン調節の中枢であり、意識、自律神経、水分調節、体温調節、食欲、睡眠などの中枢が存在する頭のほぼ中心部分近くに存在します。
下垂体腫瘍には、ホルモン分泌性のもの(機能性)、分泌しないタイプのもの(非機能性)があり、分泌するものは、過剰に分泌されたホルモンの過剰症状が前面に出るのに対し、分泌しないタイプの非機能性、頭蓋咽頭腫、ラトケ嚢胞や下垂体炎は、サイズが大きくなり、周囲の神経の圧迫症状(視野障害など)、様々な程度の下垂体前葉機能低下症や続発性中枢性尿崩症が出現することがあります。
非機能性腫瘍
特定のホルモンを分泌しないため、ある程度大きくなり視野障害が出てから診断がつくか、脳ドックなどキッカケに無症状のものが見つかることがあります。小さなものは、経過観察の方針としています。
ACTH産生腫瘍
(クッシング病)
下垂体炎
下垂体にリンパ球などの細胞が浸潤し炎症が起こる病気です。リンパ球性下垂体前葉炎、リンパ球性汎下垂体炎や、IgG4関連下垂体炎などがあります。いずれも、炎症により下垂体組織が破壊されるために、各種ホルモンの分泌低下症状(倦怠感、尿崩症)や頭痛、稀に下垂体腫大による視野障害をきたします。治療は、足りないホルモンの補充療法が中心となりますが、下垂体が腫大して視神経を圧迫した場合など、ステロイド治療を行います。
プロラクチン産生腫瘍
TSH産生腫瘍
甲状腺刺激ホルモンの過剰により甲状腺が刺激され、甲状腺ホルモンが増加するため、動悸、汗が増えたりします。外科的な摘出が第一の治療です。
ラトケ嚢胞
胎生期のRathke's pouchという胎児期の臓器になる前の構造から発生する良性の嚢胞性腫瘍です。当院では、視野障害をきたす圧迫を生じている場合、頑固な頭痛、稀にホルモンの分泌機能障害をきたしている場合にも手術を行っていますが、ほとんどのケースでは経過観察で問題はありません。
成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症)
頭蓋咽頭腫
脳からぶら下がる下垂体の茎の部分に発生する腫瘍です。頭痛、視力視野障害、ホルモンの分泌機能障害で発症します(疲労感、低身長など)。治療は外科手術、放射線治療、がありますが、第一選択は、手術による摘出です。当院では経鼻腫瘍摘出術を積極的に行っています。腫瘍近くには重要な視床下部や視交叉、下垂体茎があるため、全摘できないこともあります。しかしながら残存腫瘍や再発に対しては放射線治療が効果があり、腫瘍のコントロールは可能です。
その他の稀な疾患
下垂体機能低下症、鞍結節部髄膜腫、胚細胞腫、下垂体細胞種、顆粒細胞腫、下垂体癌、転移性下垂体腫瘍、下垂体卒中